自分で考えて学ぶこどもの育成について(その2)

前回の続きで、具体的な自立型学習支援教材について説明します。
「自分で考えて学ぶこどもの育成について(その1)」

まずは、次のブログの中の「文章題レベルチェック(整数のかけ算、わり算)【配布用】」をご覧ください。
「自立型学習支援教材(①整数のかけ算わり算)」

これは、小学4年生の範囲の文章問題ですが、問題が難しくなると中学入試レベルの問題もあり、また、文章問題の基本となるものですから、小学6年生のこどもでもまずはこの問題からやってもらっています。
数学、特に文章題が苦手な中学生でしたら、この問題をやってみると、その原因が分かると思います。

まずは、<問題の解答方法>に書いてあることを良く読んでもらってください。ノートに問題文を書いてもらうのは、後でノートを振り返ったときに、どういう問題でどう解いたのかが分かるようにするためです。

それから、問題文を図や絵にすることが一つの大きなポイントです。ほとんどのこどもは、問題を見ると、すぐに式を書いて答えを出そうとします。それも、問題文にある数字を取り出してきて、それをかけるか、割るかなどして、答えらしいものを出そうとします。これは、計算ばかりをやることに慣れたパターン学習の弊害です。このやり方だと、レベル2まではできても、レベル3以上の3つの数字が出てくる問題になるとできなくなります(それらをかけたり、割ったりする組み合わせがかなり増えるからです)。

図や絵にすることは、日頃ほとんどやっていないので、初めは戸惑うと思いますが、問題文を過不足なく表現して、かつ具体的に解答がイメージできるように表現できることがポイントになります。
例えば、レベル4の問題文を絵にした例が次のようになります。

この絵のポイントは、①長さ(3m、12m)が絵に書かれていること、②重さ(15kg、?kg)が絵に書かれていること、③二つのパイプの絵が3mと12mの長さの違いが分かるように書かれていること、になります。
初めのうちは、長さや重さが全て書けなかったり、書いていてもパイプの中に並べて書いていたり、3mと12mが同じ長さの絵だったりすることもあると思います。それは、問題文が単なる数字としか捉えられていないので、それを具体的なものにイメージできるように書くことは、文章の読解力、それを具体的なものにイメージできる想像力が必要となるので、このような練習をしていないうちは難しいと思います。

次に、これらの図や絵を見て、答えを考えてもらって式にして答えを出してもらってください。図や絵を見て考えることで、具体的なイメージを抽象的な計算式にし、解答を考える論理展開力が育まれます。レベル1や2だと図や絵がなくても式が作れると思いますが、レベルが上がってくると図や絵がないと式は作れなくなると思いますので、レベルの低いものから図や絵を書いてそれを見て考える練習をさせてください。

最後に、式や答えを書いたら、それらをこどもに説明させてください。もし間違っていても、指摘せずに、自分で説明させて、自分でおかしいなと気がつくようにしてあげてください。自ら間違っていると気がつけば、自主的にまた考えてやり直すようになります。その自主性を尊重するようにしてください。

くれぐれも、こどもが考えているときは、教えたり、アドバイスせずに、じっと見守る(こどもは視線が気になりますので、ほっておきながら詰まっていないかたまに見ることで十分です)ようにしてください。
こどもが詰まったら、極力ヒントは出さずに、自力で考えるように疑問系でアドバイスしてあげてください(この絵はどういうことかな?この問題文の数字はどこにあるかな?この絵から○○を求めるのはどうしたら良いかな?など)。

それから、これらの問題は、数多くやることより、一つの問題をじっくり時間をかけてやることに意味がありますので、1問にどれだけ時間がかかっても構いませんので、こどもが自力でしっかり考えてできるようにしてあげてください。答えを出すことより、図や絵を書いたり、自分で考えたり、説明したりするプロセスが大事なのです。

レベルチェック問題は、一つできたら、次のレベルに進むようにして、こどもが詰まったり、すんなり解答できなかったレベルが、現在そのこどもにとってちょっと難しいレベルになりますので、そのレベルの演習問題(3問用意しています)をやってもらってください。
同じレベルの演習問題がすんなりできるようになれば、次のレベルに進んでください。3問やってもすんなりできないようなら、同様の問題を作ってやらせてみてください。

レベル設定は、レベル4までが教科書レベルの問題です。うち、レベル3までが基本的な問題、レベル4が発展的な問題になります。また、「チャレンジ」としている問題は、私立中学入試レベルの問題ですので、必ずしもできなくても構いませんが、できそうなこどもにはチャレンジさせてみてください。

実際に、こどもたちにやってもらった結果では、レベルチェック問題のレベル4はかなりのこどもが詰まっていました。また、チャレンジの演習2と3はなかなか難しいので、これがすんなりできるこどもはかなり考える力が高いと思います。

この整数の文章問題が終了すれば、次の小数の文章問題をやらせてみてください。
「自立型学習支援教材(②小数のかけ算わり算)」

レベル設定などは同様ですが、0.6倍することとか、0.6で割ることとか、計算はできても具体的な図や絵にしてイメージすることは先ほどに比べて難度が上がりますので、整数の文章問題と類似の問題であってもすんなりとはできないはずです。
チャレンジの演習3はかなりの難関だと思いますので、できなくても構いませんし、自分でとことん考えてから説明してあげると、文章問題の面白さが分かってくるかもしれませんね。

この小数の文章問題が終わったら、現在、分数の文章問題も作成済みです。ただし、分数については、まだこどもたちにやらせてその結果を見ながら難易度とかの調整を行なっていない段階です。
分数は特殊記号になって、ブログに書けませんので、他の整数や小数の文章問題も含めてPDFファイルでご入用の方は、Facebookのメッセージか、ブログのコメント欄(管理人限定)などで、メールアドレスを記載の上、私にご連絡ください。併せてご質問や、ご相談がありましたら、ご自由にご連絡ください。

これまで、色々なこどもたちにやってみた結果としては、文章問題が苦手というこどもでも、週1回2時間程度の演習でかなりできるようになってきます。特に、読書の習慣のありなしで、読解力や想像力などの面で差がついてくると思いますので、併せて読書についても取り組むようにしてあげてください。

大事なことは、こどもが自分で考えて、自分で勉強するようになることです。この教材をやっていくうちに、算数の文章問題ができるようになるだけでなく、考える力や、自分で努力してやり遂げた達成感や、勉強することの楽しさや、自分で興味を持って勉強していく習慣を身につけて欲しいと思っています。実際に、それができるようになったこどもたちもいますので、こどもの自立的学習を支援するように、段々と教えない学習にシフトするようにしてみてください。


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プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
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