ホルモンについて(その2~血糖値コントロールホルモン)

前回、幸せホルモンについてお話しましたが、今回は、体が太ったり、痩せたりすることにも関係し、人が生きていく上で非常に重要な血糖値をコントロールするホルモンについてお話します。

「ホルモンについて(その1~幸せホルモン)(ブログへリンク)」

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことで、健康な人の場合、概ね80~100mg/dLの範囲に保たれています。

ブドウ糖は、人が生きていくためのエネルギー源ですので、これが不足した状態(低血糖)になると、命に関わる事態になりかねないため、血糖値を上げるためのホルモンが分泌されます。

逆に、ブドウ糖が過剰な状態(高血糖)になると、身体の組織の変化や免疫力の低下など全身いたるところに障害が生じてしまうので、血糖値を下げるためのホルモンが分泌されます。

これらのホルモンの働きによって、血糖値は安定的に保たれて生きていくことが可能になっているのですが、このうちの血糖値を上げるホルモンには、すい臓からのグルカゴン、副腎からのアドレナリン、甲状腺ホルモン、脳内からの成長ホルモン、糖質コルチコイドなど、5つ以上もあります。このうちの、アドレナリンと成長ホルモンについてお話します。

【アドレナリン】
アドレナリンは、副腎より分泌されるホルモンであり、また、神経伝達物質でもあります。

アドレナリンは、低血糖状態の他にも、緊張したり興奮したり恐怖や不安を感じたりする交感神経が優位になったときに分泌されます。

アドレナリンは、別名「攻撃ホルモン」とも呼ばれ、気分が高揚し、ときに攻撃的になってしまうという特徴があります。お腹が空いたときに、イライラしたり、怒りっぽくなるのは、低血糖によってアドレナリンが効き始めた証拠なのです。

要は、体が危機的な状況に陥ったときに、攻撃的になることで、外敵から体を守る防衛本能的な役割を果たしているのです。

最近、キレやすいこどもが増えていると言われていますが、その原因の一つとして、炭水化物やおかしなどの糖質過剰摂取が挙げられます。

即ち、糖質を過剰に摂ると、血糖値が急上昇するためそれを下げるために後でお話しするインシュリンが大量に分泌されます。そうすると一時的に低血糖状態になるので、アドレナリンが分泌されるのです。

小さいこどもにアドレナリンが分泌されると、こどもは自分がコントロールできなくなって、キレたり、落ち着きがなくなったり、暴れまわったりすることになるのです。

もし、そういうお子さんがいらっしゃったら、糖質の摂りすぎではないかと疑ってみてください。


【成長ホルモン】
成長ホルモンは、脳の中の下垂体から分泌されるホルモンで、文字通りの「成長促進」と「代謝促進」、すなわち、たんぱく質や脂質などの代謝促進や血糖値を上昇させる機能などがあります。

成長ホルモンは、アドレナリンが分泌されるときより、さらに血糖値が低下したときに分泌されます。

睡眠中に成長ホルモンが分泌されるとよく言われますが、これは、睡眠中は低血糖状態になりますので、その状態を回避するために成長ホルモンが大量に分泌されるのです。

成長ホルモンは、こどもの成長のためだけでなく、おとなも、疲労した組織の修復・再生を行い、免疫力を高め、肌の老化を防ぎ、脂肪分解を促進するなどの効果がありますので、十分な質のよい睡眠を取ることで成長ホルモンの分泌を促すことはとても大切なのです。


【インシュリン(インスリン)】
インシュリン(正式にはインスリン)は、すい臓の中のランゲルハンス島から分泌されるホルモンで、血糖値を低下させる作用があります。即ち、エネルギーとして使用されなかった過剰な血液中のブドウ糖は、インシュリンの分泌によって中性脂肪に変えられ、脂肪細胞の中に蓄積されます。

これが過剰に蓄積されることにより太ることになるのです。

ちなみに、たんぱく質や脂質は血糖値を上昇させませんので、インシュリンは分泌されず、中性脂肪として蓄えられることはありません。

従って、たんぱく質や脂質は高カロリーでも太ることはありませんし、炭水化物などの糖質のみが太る原因になっているのです。

血糖値を上げるホルモンが5つ以上あるのに対して、下げるホルモンはインシュリン1つだけです。これは、人間の体が低血糖状態に対しては色々備える機能を有しているのに対し、高血糖状態はあまり想定していないメカニズムであることを意味しています。

即ち、はるか昔、狩猟生活を行なっていた人間は、食糧不足による飢餓状態(低血糖状態)に備える機能を多数用意していたのですが、十分すぎるほどの飽食状態(高血糖状態)は想定しておらず、インシュリンが一つあれば十分だったということなのです。

人間の体は、当時から進化していないにも関わらず、炭水化物によるエネルギー摂取が容易にできるようになった結果、当時は想定していなかった飽食状態(高血糖状態)が頻発することによる、中性脂肪の蓄積、肥満や過剰な内臓脂肪状態が生じることになったのです。

これは、夏井睦先生の言葉を借りると、人体は、アクセル(血糖値上昇)は5つ以上あるのに、ブレーキ(血糖値下降)は1つしかない車のようなもので、唯一のブレーキであるインシュリンが壊れてしまうと、車は暴走して止まらなくなるという極めて危険な構造になっているのです。

このインシュリンが壊れてしまった状態が糖尿病です。
「糖尿病について(ブログへリンク)」

糖尿病は自分には関係ないと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、健康な方でも、老化によってインシュリンの分泌機能は低下し、糖質を中心とした食事をしていると、年をとると糖尿病になってしまうリスクがありますので、お気をつけください。

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プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
このブログはFacebookにも投稿していますので、コメントなどはFacebookでお願いします。
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