糖と酸素との共存と戦いについて(その4)

前回は、ミトコンドリア系主体のエネルギー生産システムに切り替えていくための生活習慣のうち、食事面についてお話しました。
「糖と酸素との共存と戦いについて(その3)」

今回は、食事も含めた生活習慣全般についてお話します。

前々回、ミトコンドリア系が働く環境としては、有酸素・高酸素、高温、低糖質であるとお話しました。

【有酸素・高酸素】
まず、有酸素・高酸素についてですが、ミトコンドリア系は酸素を取り入れてエネルギー生産を行ないますので、酸素不足の状態になると解糖系が作動しミトコンドリア系の働きが悪くなります。
これは酸素に限った話ではなく、ミトコンドリア系は、高性能エンジンなのですが、瞬発力に乏しいため、解糖系が働く環境になると、機動力のある解糖系が先に作動してしまい、ミトコンドリア系の働きが悪くなるのです。

従って、酸素不足にならないように十分な酸素を取り入れた状態がミトコンドリア系の活性化に繋がります。

最も良いものが、有酸素運動です。それも、過度な運動にならない有酸素運動が望ましいのです。
ミトコンドリア系は、優れたエネルギー生産システムなのですが、一つの問題点は、活性酸素を生じてしまうことです。
通常生じる活性酸素であれば、体内にある抗酸化酵素の働きでそれらを除去することができるのですが、過剰に発生した活性酸素は、除去することができず、ミトコンドリアを含めて生体を損傷させ、「酸化」による老化が進むことになってしまいます。

従って、息が上がるような有酸素運動は、活性酸素を発生させるため、ミトコンドリアにとっては禁物です。
例えば、軽めのジョギング(スロージョギング)や少し早いウォーキングやヨガや太極拳など、酸素を十分に取り入れた負荷の小さい運動がミトコンドリア系を活性化させることができます。

さらに、これらの有酸素運動の合間に、無酸素運動を入れることも効果的です。
ミトコンドリア系は、それらが働かなく環境が生じると、防衛本能で自らの働きを向上させようとします。
無酸素運動を行うと、酸素不足の状態になるので、ミトコンドリア系の防衛本能が働いてエネルギー効率が向上し、それから有酸素運動に戻すと、効率化したミトコンドリア系が稼動していくことになるのです。
サーキットトレーニングが効果的と言われているのは、この観点からなのです。

運動で言えば、ミトコンドリア系が多い遅筋を鍛えることも、効果的です。
従って、アウターマッスル中心の筋トレより、インナーマッスル(体幹)中心のトレーニングや遅筋の多い背中や衰えやすい下半身中心のトレーニングが、ミトコンドリア系活性化には有効です。

他にも、口呼吸を止めて鼻呼吸にすることも、ミトコンドリア系には大切です。
口呼吸は、鼻というフィルターを通さないため、雑菌が体内に入ってきてしまい、これらの雑菌は酸素を消費するのでミトコンドリア系の働きが悪くなります。
また、体温より低い外気が直接入ることにより、咽頭の温度が最大で0.5度低下すると言われていますので、温度が低くなるとミトコンドリア系が悪化することになります。
従って、これらの浄化装置を備えた鼻呼吸がミトコンドリア系にとっては重要なのです。

なお、先ほどお話した過剰な活性酸素を生じさせないことは、運動以外でも重要です。
過度な飲酒、たばこ、睡眠不足、ストレス、過度な紫外線などは過剰な活性酸素を生じますので、ミトコンドリア系など生体が損傷し、酸化による老化が進行することになります。
従って、過度な飲酒を控えること、たばこを控えること、十分な睡眠を取ること、過度なストレスを避けること、紫外線対策を行なうことなどの、体に良いと言われている生活習慣は、ミトコンドリア系の活性化のために重要なのです。

【高温】
次に、今もお話しましたが、高温であることがミトコンドリア系の活性化には重要です。
ミトコンドリア系は、酸素を使った化学反応を行なっているのですから、高温状態が適していて、最も効率的な温度は、37度前後と言われています。
従って、体を冷やす環境や、低体温状態や、女性に多い冷え性などは、ミトコンドリア系にとっては大敵になります。
外部から体を冷やさないようにすることと併せて、正しい食事により体温を上昇させることが大事です。

腸内環境の改善は、腸内に7割いる免疫細胞の活性化につながり、免疫力の向上により体温も上昇しますので、腸内環境を改善する、発酵食品、食物繊維、オリゴ糖、生野菜・果物による酵素などの摂取は大切です。
また、たんぱく質は、熱産生がもっとも高いので、しっかり摂ることで、エネルギーや体組織になることと併せて体温上昇も図ることができます。

女性で多い低体温や冷え性の方の食生活を聞いてみると、腸内環境が悪いことや、ヘルシーという言葉に惑わされて肉などのたんぱく質をしっかり摂っていない方が多いようです。

一方で、お話したようにミトコンドリア系は、危機的状態になると防衛本能が働いて、その働きが活発になりますので、一時的に低温状態にすることも効果的なのです。
サウナの後に水風呂に入ったり、冬に寒稽古を行なったりすることなどは、この観点から効果的なのです。

【低糖質】
最後に、低糖質については、前回お話したように、糖質中心の食事にしますと、解糖系が稼動してミトコンドリア系の働きが悪くなり、併せて様々な病気や老化の原因になりますので、糖質を極力抑え、たんぱく質や良質の脂質や腸内環境を改善する食品(発酵食品など)を中心にした食事にすることが肝要です。

なお、食事においても、ミトコンドリア系の防衛本能の働きによる活性化を図るために、ときおり、空腹状態を作ることは効果的です。
お腹が空いていないのに時間になったからと言って機械的に食べないとか(糖質摂取を抑えると、血糖値は安定しますので、むやみにお腹は空かなくなります)、プチ断食を行なうとか(例えば、朝食をスムージーにするのは、エネルギー摂取を行なわないプチ断食の効果と、酵素摂取による消化・代謝促進、腸の消化負担をなくし排泄に専念できる効果があります)を行なうことで、ミトコンドリア系の活性化に繋がります。

かなり、お話が長くなりましたので、次回、お話できなかったことと併せて、これまでのお話のまとめを行ないたいと思います。


『糖と酸素との共存と戦いについて(まとめ)<ブログへリンク>』

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プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
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