自分で考えて学ぶこどもの育成について(その4)

以前、算数の文章問題について、こどものレベルに応じてトレーニングしていく自立型学習支援教材の使用方法について三回に亘ってお話しました。
「自分で考えて学ぶこどもの育成について(その1)(ブログへリンク)」
「自分で考えて学ぶこどもの育成について(その2)(ブログへリンク)」
「自分で考えて学ぶこどもの育成について(その3)(ブログへリンク)」

私も、経済的な理由で学習機会が少ない子どもたちに勉強を教えているボランティア団体であるあおぞら塾や、石神井学園という児童養護施設でのボランティア活動をそれぞれ週1回行ってきて、さらに、この夏休み期間は、夏期講習としてさらに活動を増やしていますが、これらの自立型学習支援教材を実際に活用してきて、こどもの初めの頃の対応状況や、トレーニング後の対応状況の変化など、だいぶんノウハウが蓄積してきたと思いますので、それらの状況についてお話します。

まず、教えているこどもは、小学生4~6年生で、算数の特に文章問題が少し苦手というこどもを対象にしていることもありますが、たいていのこどもは、計算問題は何とかできるけど、文章問題はちょっと難しくなるとお手上げになるということが多いです。

これは、こどもの能力的な問題ではなく、文章問題における考える学習の不足が原因であることが多いと考えています。

以前、日本の算数の教科書が、やたらわかりにくい説明が増えてきて、こどもに自分で考えさせたり、そのための文章問題が減ってきている状況についてお話ししました。
『日本の小学校の算数について(ブログへリンク)』

今の算数の教科書に従って勉強していると、自分で考える文章問題のトレーニングが不足するのは当然のことだと思いますし、塾や通信講座などの教え方や教材や市販の参考書などを見ても、良質の文章問題をしっかりやらせるところは少ないと思っています。

従って、私が作成した自立型学習支援教材での自習スタイルでの勉強をしていると、ほとんどのこどもが週1回程度の学習でも、早いこどもで数週間、ほとんどのこどもが遅くとも数か月程度のトレーニングで、自分で考えて行う文章問題ができるようになります。

当然、こどもの能力によってどのレベルまでできるかという違いはありますが、ほとんどのこどもは、レベル4(教科書レベルはたいていカバー)までは問題なくできるようになっています。

実際に、こどもたちに教えていて、共通するポイントがいくつかありましたので、お話しします。

【問題文を図や絵にすることが初めはほとんどできていない】
ほとんどのこどもは、問題を出すと、初めはすぐに式を書こうとします。
問題文を図や絵にしなさいと言っても、そのような経験がほとんどないため、すぐに書けなかったり、書いても上手く問題文が表現できていなかったりします。
これは、問題文を理解せずに、問題文にある数字だけを取り出して、掛けるか割るかなどの演算をすることだけをパターン学習として教えられてきた弊害です。

学校や塾などでは、早く解くことを優先しますので、問題文をじっくり読んで、図や絵にして、考えるような時間をかけて問題を解くことを教えてくれません。
しかも、単元によって、掛け算の問題だとか割り算の問題だとかが分かりますので、機械的に演算を行うことで答えが出て、それが正解であれば、問題ないということで終わってしまう状況になっています。
これでは、掛け算か割り算かそれらの組み合わせ演算か分からないテスト問題が出たら、解答できないのは当然のことです。

初めは、図や絵を書くことに慣れていないこどもたちも、時間をかけて図や絵を書く練習や、書いた図や絵についても、より問題文が理解できて解答を考えやすい図や絵を教えてあげてそれらを理解してくると、ほとんどの問題はスラスラとできるようになってきます。
慣れてくると、簡単な問題は図や絵を書かなくても、頭の中で問題文をきちんと理解し、問題が解けるようになってきます。
しかし、複雑な問題や難しい問題になると、できるこどもでも頭の中だけでは絶対に無理なので、図や絵を書く習慣はとても重要なポイントになります。

このように、問題文を図や絵にするトレーニングを行うことで、文章題が苦手なこどもでも、かなりの問題が対応できるようになります。

【自分のレベルにあった問題は、時間をかけて1日数問程度解くことが大事】
レベルチェックを行うと、初めのうちは、自分のレベルより簡単なので、どんどん問題を解いていきますが、自分のレベルにあった問題になってくると、問題を解くのに時間がかかってきます。

これらのレベルの問題を解くことが、考える力を育むためのとても良いトレーニングになりますから、これからはじっくり時間をかけて問題を解かせるようにします。
こどもによっては、30分から1時間かかることもありますが、早い遅いは重要ではなく、大事なのはこどもが自力で試行錯誤しながら考えているプロセスです。

前にもお話ししましたように、このときはこどもが詰まってしまっても決して口を出さないようにして、自力で解かせるようにしています。
分からないというこどもに対しても、極力ヒントは与えずに、こどもが詰まっている箇所で、繰り返し問題文を読んで自分で気がつくようにさせるなど、自力での学習を大切にしています。

自分で苦労して解けた問題は、こどもは忘れませんし、何よりも自力でやり遂げた達成感と、次の問題にチャレンジしようとする力になります。これが、算数、ひいては勉強が好きになることにつながっていくのです。

この自分のレベルにあった問題を解くことは、そのこどもの頭をとても使いますので、一日に数問解くことが限界になります。
それ以上やってもあまり効果がありませんので、その程度で止めるようにしています。
それでも、そのトレーニングを週1回ペースで行っているだけで、数週間から数か月で十分効果が出てくるのです。

お話が長くなりましたので、続きは次回にしたいと思います。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
このブログはFacebookにも投稿していますので、コメントなどはFacebookでお願いします。
Facebookユーザーネーム:yart0108

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR