自分で考えて学ぶこどもの育成について(その5)

昨日お話しした、自立型学習支援教材をこどもたちに教えているときの、共通のポイントについての続きです。
『自分で考えて学ぶこどもの育成について(その4)(ブログへリンク)』

【「比例問題」は半数近くのこどもが苦手】
「比例問題」とは、以下のような単位当たりの量を計算して、単位に比例させて必要量を求める問題です。

<文章題 レベルチェック(整数)レベル4>
 『3mの重さが15kgのパイプがあります。このパイプ12mの重さは何kgでしょう。』

<文章題 レベルチェック(小数)レベル4>
 『4.2mの重さが12.6kgのパイプがあります。このパイプ9.2mの重さは何kgでしょう。』

どちらも、1mあたりの重さを計算して、パイプの長さに比例させて必要な重さを求める問題ですが、3つの数字が出てきて、割り算と掛け算が必要になることから、これまでの二つの数字をもとに掛け算や割り算で計算していた問題より複雑になります。

この問題の解き方は、1mあたりの重さを求めて比例計算するやり方のほかにも、「12mは3mの4倍だから15kgの4倍で60kg」というやり方で求めるこどもも多いです(当然、これも正解です)。

しかし、このやり方だと、例えば11mの重さを求める問題になると「11mは3mの何倍?」というところで割り切れずに詰まってしまうこどもも多いので(分数で計算すればできるのですが)、オーソドックスな単位当たりの量を求めてから比例計算するやり方を教えています。

整数が小数になったり、分数になってもやり方は同じなのですが、小数や分数になると、とたんにどうしてよいのか分からなくなるこどもも多いので、そのときは整数の比例問題に戻ってやり方を確認させてからもう一度やるようにしています。

この比例問題は、かなり類題が多いので、しっかりできるようになれば、かなりの文章問題も解けるようになります。

【「バーモデル」はほとんどのこどもが苦戦する】
「バーモデル」とは、以前「日本の小学校の算数について」で紹介した、シンガポールの小学校の算数で小学校1年生からトレーニングされている問題で、問題文を「バーモデル」と呼ばれる図で表すことで、鶴亀算のようなパターン学習を行わなくても、かなりの複雑な問題が解けるようになるものです。
『日本の小学校の算数について(ブログへリンク)』
『学力調査で連続上位、アメリカも導入「シンガポール式算数」の威力(HPへリンク)』

これも、以下のような「バーモデル」問題は、かなりのこどもが苦戦しています。

<文章題 演習(整数)チャレンジ演習3>
 『お兄ちゃんと妹に4500円のおこずかいをあげます。お兄ちゃんが妹の2倍になるには、お兄ちゃんと妹にそれぞれ何円あげたら良いですか。』

<文章題 レベルチェック(問題の考え方)レベル2>
 『3000円を兄弟にわけます。兄が弟より800円多くもらうとき、兄と弟はそれぞれいくらもらえるでしょう。』

図や絵を書かずに解こうとすると、「2倍」とあるので2で割ってしまったり、二人で半分ずつにしてから800円を引いたりするこどもが結構います。
図や絵を書くこどもでも、ふたりのおこずかい←すみません、おこづかい「お小遣い」が正しいです(^^;
の大きさをきちんと図にしないと、問題を解くことはできません。

この「バーモデル」問題は、小学校1年生レベルの問題から、大人でもすぐに解けないような小学校6年生レベルの問題まで、応用範囲が広く、考える力を育むのにはとても良い問題だと思います。

<小学校1年生レベルのバーモデル問題>
『りんごとみかんが合わせて9個あるときに、りんごがみかんより3個多いとすれば、りんごとみかんの数はそれぞれいくつですか。』

<小学校6年生レベルのバーモデル問題>
『A工場の男女比は3対2で、B工場の男女比は2対3で、B工場の方がA工場より200人多く、男性の数はどちらも同じです。A工場とB工場の人数の合計は何人ですか。』

これらの問題は、日本の算数の教科書はおろか、参考書などでもほとんど見かけることはなく、鶴亀算のような中学入試のためのパターン学習として一部が出題されていることがあるぐらいですが、鶴亀算のようなやり方を覚えなくても、バーモデルを図や絵にして自分で考えることができますので、これらの問題のトレーニングを行うことで、小学4~6年生のみならず、小学校の低学年から中学生まで、算数や数学の応用問題が苦手なこどもの自分で考える力を育ててくれることと思っています。

私も、現在、実家に帰省中で、小学3年生のめいっこと中学2年生のおいっこに、バーモデル問題をやらせているのですが、初めは全くできなかっためいっことおいっこも、やっているうちに段々とできるようになってきて、苦手だった文章問題も少し面白くなってきたみたいです(^^)

これから、他のこどもたちにも、色々なバーモデル問題をやらせて、その出来具合を見ながら、今後、バーモデルの演習問題も作成していきたと思っています。

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プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
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