教えない教育

私は、ボランティアでこどもに勉強を教えているとき、
こどもに教えないようにしています。

一緒に活動している若いボランティアの方は、ついつい力が入ってこどもに一生懸命教えようとするのですが、彼ら・彼女らに対しても、
「教えることは教えないことなんだよ」と言うのですが、いつも怪訝そうな顔をされます(^^;


教えることは、ある意味簡単です。

手っ取り早く効果を出すには、
パターン学習が最も効果的です。


私も、昔、学生の頃に、家庭教師をやっていたときに、短期間で受験に合格させるために
最も効果的なのはパターン学習ですから、あえて
パターン学習で教えて合格させていました

また、会社にいたときも、業務として、アクチュアリー試験という医師・弁護士クラスの難易度の高い試験に合格させるために、想定問題と模範解答を数多く作成し、
それを受験生に丸覚えさせ、大量に合格させたこともあります(^^;


このような受験や資格試験を合格することだけが目的であれば、いわゆる傾向と対策に基づき、ひたすら、
想定される問題とその解答パターンを学習していけば、
高確率で合格することができます。

しかし、それは、
単にそれだけで、何も残りません(>_<)


さきほど、ネットを見ていたらこのような記事がありました。

『「教えない」究極の教育法~生物も文化も、進化は不完全さから(サイトへリンク)』

記事の中に、いくつか事例がありましたので、ご紹介してみます。

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文化人類学者たちによる長年の観察・研究によって、狩猟採集民(ピグミー、ブッシュマン、イヌイット、アボリジニなど)での「教示の不在」がわかっています。たとえば、こんな様子です。

・事例1:
 母親が魚をさばいている。
 そばの子どもがそれを見ているが、
 親はさばき方を教えようとはしない


・事例2:
 年の離れた子どもたちが道具を使って遊んでいる。
 年少者が遊び道具をつくろうとしているが、
 年長者は見ているだけでつくり方を教えようとはしない

====================================

考えてみると、
日本には素晴らしい技術を持った職人と言われる方々がいらっしゃいますが、彼らの修業は、ひたすら、
見て学ぶことであり、決して
教えてもらってはいません

師匠の技術を盗もうと、見よう見まねで、自分でやってみるけど、当然同じようにはできない。

しかし、それを
試行錯誤しながら、やっているうちに、いつのまにかできるようになる

でも、それは師匠の技術とは、
似ていても異なる新たな技術であり、それらの中から優れた技術を持つ弟子が、次の時代を担っていく、その繰り返しで、
世界に名だたる技術が進化してきたのだと思っています。


この伝統は、決して、
教えられていては、育っていなかったと思います。


教えることは、
技術のコピーです。

当然、教えられても、創意工夫しながら改良していく方もいらっしゃいますが、初めから教えられていると、教えられることに慣れてしまい、
教えられることをそのまま覚えて忠実に実行していくことが一番大切だと勘違いし、
単なるコピー人間になってしまうことが多いです(>_<)

しかし、模範となる技術があっても、
教えられなければ、それを自分で色々な角度から見ながら、研究して、創意工夫の中から、学習していくことになります。

その中で、
観察、分析、想像、実験、創造というプロセスが生まれることで、
これまでの技術をさらに進化させていくことと、
それらを生み出すことができる人材を育ててきたのだと思っています。

それが、
日本の世界に名だたる技術であり、
その技術を生み出す人材を育成してきた伝統なのです。


一方、中国や韓国の技術は、
ほとんどがコピーですから、
進化はありませんし、
想定外のことが起きたときに対処することはできません


しかし、残念ながら、今の日本では、教えない教育が廃れていき、
小さなころから教えられる教育が当たり前となってきていますので、
そのようにして育ってきた大人は、自ら考え、創意工夫しながら、進化させていくことができません(>_<)

これは、物的資源に乏しく、
人的資源で発展してきた日本にとっては、致命的な話だと思っています。


だからこそ、
教えない教育、自ら学ぶ教育である「自学自習」が今こそ必要だと、私は思っており、この教えない教育を
個人のスキルに頼るのではなく
誰でもできるように、その汎用化が最も大切なことだと考えて、時間はかかると思いますが、一歩ずつ進めていこうと思っています。

『教えられる勉強と自ら学ぶ勉強(ブログへリンク)』


勉強するこども


『ブログ「優しく生きたい」【総合目次】(ブログへリンク)』

テーマ : 生きる力
ジャンル : 学校・教育

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プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
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