「肥満が病気の原因となる理由は?」~広島大学履修生日記(食品健康科学 第11回)

先週第11回目の
広島大学生物生産学部「食品健康科学」の講義に行って来ました(^^)/


この日は梅雨前線が活発化して、広島もかなりの雨になってしまいましたので、高速バスで通学することにしました。

大学に到着すると、雨は小降りになっていましたが、生物生産学部の建物までの道は、先ほどまで大雨だったせいか人影もまばらでした。




この日の講義のテーマは、
「肥満と病気」です。


肥満になると、高血圧、糖尿病、動脈硬化など様々な病気をもたらすと言われていますが、
その原因は何なのでしょうか?

脂肪細胞からは、様々なホルモンが分泌されていて、それらには
身体に良いホルモンもあれば、
身体に悪いホルモンもあります


肥満が進行すると、脂肪細胞で蓄えられる中性脂肪が肥大化し、それに伴い
これらのホルモンの分泌も変化してきます。


まず、
高血圧の原因となるのが、
アンジオテンシノーゲンというホルモンです。


肥満細胞が増大すると、
アンジオテンシノーゲンの分泌が高まり、血液中のアンジオテンシンが増加します。

アンジオテンシンには血管を収縮させる働きがあるため、
肥満が進行すると高血圧の原因になるのです(>_<)


また、
糖尿病の原因となるのが、以前の講義でも簡単に説明があったように、
TNF-αというホルモンです。


血糖値が上昇すると、
インスリンが分泌され、インスリン受容体に結合します。

それに伴い、細胞内にある
グルコーストランスポーターと呼ばれる糖を取り込む穴のあるたんぱく質が、
細胞膜に移動し、
高濃度の血液中の糖が、
グルコーストランスポーターの穴を通過して、
低濃度の細胞内に取り込まれることになります。

これが、
血糖値上昇
→インスリン分泌
→糖の細胞内への取り込み
の仕組み

になります。


TNF-αには、
グルコーストランスポーターの細胞膜への移動を阻害する働きがあるため、
肥満細胞が増大し、TNF-αの分泌が高まると、インスリンが分泌されても、糖の細胞内への取り込みが進まなくなり
(インスリン抵抗性)
血糖値も下がらなくなります

そのため血糖値を低下させようと追加インスリンが大量分泌されますが、その状態が継続すると、
膵臓が疲弊してインスリンの分泌が悪化し、糖尿病になってしまうのです(>_<)


これらの身体に悪影響のあるホルモンの他に、
身体にとって良い働きのあるホルモンもあります。

以前の講義で説明のあった満腹ホルモンと呼ばれる
レプチンは、
肥満細胞が増大すると、分泌が増加し、食欲を抑制することで、肥満を解消する効果があります(^^)/

『「レプチンが分泌されても過食が止まらないのは?」~広島大学履修生日記(食品健康科学 第4回)』


また、他にも
アディポネクチンと呼ばれるホルモンがあり、これには、
運動することで糖の細胞内への取り込みを促進するのと同様の効果があります。

つまり、
運動を行うと、エネルギーである
ATPが消費されて、低エネルギーのAMPに変わりますが、AMPが増加すると
AMPキナーゼと呼ばれる酵素が活性化され、インスリン分泌のときと同様に、
グルコーストランスポーターが細胞膜に移動します。

このため、
運動を行うと、インスリンの作用を介さずに、糖の細胞内への取り込みが促進されるのです。


アディポネクチンには、AMPキナーゼを活性化させる働きがあるため、
運動を行わなくても、糖の細胞内への取り込みが促進されることになるのです(^^)/

アディポネクチンには、これらの糖代謝の改善効果の他にも、
動脈硬化抑制、抗炎症、心筋肥大抑制などの身体に良い働きが色々とあると言われていますが、この
アディポネクチンは、肥満細胞が増大すると、分泌が低下してしまいます。

つまり、
肥満になると、善玉ホルモンであるアディポネクチンの分泌が低下し、
糖尿病や動脈硬化などの原因になってしまうのです(>_<)


このように、
肥満によって、身体に悪影響のあるホルモンが増加し、身体に良い働きのあるホルモンが減少しますので、
肥満は、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの様々な病気の原因になってしまうのです(>_<)


講義では、これらの身体に悪影響のあるホルモンの働きを抑制したり、逆に身体に良い働きのあるホルモンを活性化する
薬や食品の研究・開発についての話もありましたが、病気の根本原因である肥満を放置したままで、薬などで対応するのは
対症療法に過ぎませんから、むしろ病気は悪化していくことになります。

『「薬では病気は治らない?」~「ダイエット」通信(補足号その81)』


肥満の原因は、糖質の過剰摂取であり、それに伴い
追加インスリンも大量分泌されると、
糖化・酸化・慢性炎症が進行し、これらのホルモンの働きとは別に、
様々な病気になってしまいます(>_<)

『「病気は全て繋がっている」~「ダイエット」通信(補足号その94)』


また、
肥満に伴うこれらのホルモンの働きは、これ以上糖を取り込むことで肥満を進行させないための、
身体のホメオスタシス(恒常性)としての働きとも考えられるため、これらのホルモンの働きの改善よりも、
肥満の原因である糖質の過剰摂取を止めることが最も重要になります。

そのためには、
糖質依存症からの離脱が必要ですが、
それがなかなかできないために、肥満や様々な病気に苦しむ方々が世の中に多くいらっしゃるのでしょうね(>_<)

『「糖質依存症について」~「ダイエット」通信(補足号その6)』



『広島大学履修生日記』

『ブログ「優しく生きたい」【総合目次】』

テーマ : ダイエット・美容・健康
ジャンル : ヘルス・ダイエット

プロフィール

山本越郎

Author:山本越郎
30年間勤務した生命保険会社を早期退職して、世の中の頑張っているけど上手くいかずに困っている方々を助けるために、教育問題と医療問題に取り組んでいます。
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